子ども力がいっぱい―河合隼雄が聞く「あなたが子どもだったころ」
- 作者: 河合隼雄
- 出版社/メーカー: 光村図書出版
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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子どもの頃の話をテーマに、心理学者の河合隼雄さんと七人のプロフェッショナル(山本容子、鶴見俊輔、筒井康隆、佐渡裕、毛利衛、安藤忠雄、三林京子)の対談集。『飛ぶ教室』に掲載されたものを収録したもの。
読んでいて河合隼雄さんが、いかに聞き上手かがよくわかる。対談する相手はまるで魔法にかかったように自分の子ども時代のことを思い出し、心の内を語り始めるのだ。
対談の後の「インタビューを終えて」というコラムも、するどい人間観察と温かでユーモラスな語り口調が読み応えがあった。三林京子さんとの対談では、三林さんご自身が寄稿された「心の中にいつまでも」が最後となった。これからの時代に最も必要とされた方のお一人でなかったかと思う。もっと、たくさんのお話をききたかったし、読みたかった。
「そう。情報がたくさんある。それから物がたくさんある。<中略>昔はいいかげんにやっていたらうまくいったんです。別に親だということをそんなに意識しなくて良かった。ところが今は、すごく考えたり、意識したりしなくちゃならない。<中略>だからよくぶつかってしまう」
「私は、今の子どもたちがかわいそうだと思うんですね。<中略>のべつまくなしに緊張しているわけです。いつも何か決まりきったことしかやっていない。<中略>勝手なことをして、それからパッと変わるということがいちばんいい方法だと思うんですが、今はそれができない。本当にかわいそうですね」