うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

ぼくがバイオリンを弾く理由

ぼくがバイオリンを弾く理由 (ノベルズ・エクスプレス)

ぼくがバイオリンを弾く理由 (ノベルズ・エクスプレス)

「バイオリンをやめようと決意した夏、一枚の楽譜と出会ったことから、少年の運命は大きく動き出した。」<帯より>
静かで自然な描写。まるで本当にバイオリンの演奏をきいているような気がした。活字が、音楽を表現している。。。
やさしくて、切なくて、あたたかい。ささやかな日常の営みの中に、繊細な音楽少年の成長が、きらりと光る糸のように織り込まれている。
それは、電車に乗り合わせていたときだったり、家族で食事をしているときだったり、友達とサッカーをしているときだったり。。。
なにげないしぐさや行動が、言葉以上に主人公の心情を伝えてくる。読む者をひきつける。すべての伏線が集結していくクライマックスもすばらしかった。感動した。