2022-01-01から1年間の記事一覧
今年も1月から12月までの読書メモを振り返り、心に残ったタイトルを書き留めました。選書は例年通り、初めて読んだ本のみです。カテゴリ分けはざっくりと。 ☆一般小説 『輝山』澤田瞳子 『やさしい猫』中島京子 『自転しながら公転する』山本文緒 『きたきた…
烏の緑羽 八咫烏シリーズ (文春e-book) 作者:阿部 智里 文藝春秋 Amazon 長束・翠寛・路近の人物像を掘り下げることによって、より物語にリアリズムがうまれた。最後にピースがぴったりはまる。作者の創造と構成力に感動した。 >衝撃の事実 じつはこの巻を…
麻阿と豪 作者:諸田 玲子 PHP研究所 Amazon 初めての作家さん。分厚いにもかかわらず最後までいっきに読めた(偶然、『おんな太閤記』の再放送で麻阿と豪が出るシーンを観ることできたのもよかった) 戦国時代、手ごまのように利用翻弄される女たち。しかし…
黒と白のあいだで 翔の四季 秋 作者:斉藤 洋,いとう あつき 講談社 Amazon 『翔の四季』シリーズ秋編。主人公の翔に今回は音が時間差で聞こえるという異変が起きる。不審火、盗難事件を解くミステリーも絡めて、不思議な物語が展開。 「世界は見えたままでも…
千に染める古の色 作者:久保田 香里 アリス館 Amazon 藤原道長全盛の平安時代。藤原実資の姫・千古は成人とみなされる裳着を控えていた。十三才の千古が草木染の奥深さにふれつつ、初恋と失恋を経て大きく成長する姿がさわやかに描かれている。 主人公を巡る…
JK、インドで常識ぶっ壊される 作者:熊谷はるか 河出書房新社 Amazon Jk(女子高校生のことらしい)が見たインド。 瑞々しい感性と実直な文章に好感がもてた。 楽しく面白いだけのエッセイではなく、第四章、第五章では深く考えさせられた。
魔女だったかもしれないわたし (わたしたちの本棚) 作者:エル・マクニコル PHP研究所 Amazon 主人公のアディは周りの人たちと自分との世界観の違いに苦しんでいた。 ある日、他人と少し違うだけで<魔女>として迫害された女性たちの歴史を知る。 いろいろな…
そして誰もゆとらなくなった (文春e-book) 作者:朝井 リョウ 文藝春秋 Amazon ゆとり三部作完結編。読んでいる間、かなりの頻度で笑っていたが (もちろん一人のときに!) 一番笑ったのが、「ホールケーキの乱」の神との対話だった・・・。 自虐的ではある…
カニカマ人生論 (幻冬舎単行本) 作者:清水ミチコ 幻冬舎 Amazon カニカマはすでにカニの模倣(物まね)ではなく、ひとつの魅力的な食品である、と個人的には思っている。清水ミチコさんも然り。 卓越した語り口と半端ではない歌唱力は、すでに<清水ミチコ>…
90歳になっても、楽しく生きる 作者:樋口 恵子 大和書房 Amazon 90歳代へのアプローチ。 豊富な体験談にユーモアを交え読みやすかった。 まだ先の話ではあるが、( ..)φメモメモ 背筋をピンと伸ばす・階段を昇降するときは一点集中 おしゃれとは「元気」を…
終活中毒 作者:秋吉 理香子 実業之日本社 Amazon 人生の最後に向き合う人々の波乱含みドラマ四篇。 『SDGsな終活』真美子さんが、怖かった~。 『最後の終活』真実があきらかになり、親子の絆がよみがえる。よかった、よかった。 『小説家の終活』どうなるか…
はれ晴れ池をさがして (ポプラ物語館 89) 作者:宇佐美 牧子 ポプラ社 Amazon 弟思いの七美。願いをかなえてくれるという「はれ晴れ池」を同級生のカイと共に探します。誰かの気持ちに寄り添うとき、人はやさしくなれるのかも。
六四五年への過去わたり: 平城の氷と飛鳥の炎 作者:牧野 礼 くもん出版 Amazon 初めての作家さん。とても面白かった。タイムスリップものだが設定がユニーク。現代から過去へ、ではなく、奈良時代から飛鳥時代への「過去わたり」なのだ。 主人公の沙々、星読…
生き抜け!遭難の五日間 (文研じゅべにーる) 作者:山口 理 文研出版 Amazon 山の脅威に関しては登山もトラッキングも変わらない。プロローグに本編のダイジェストを持ってきた構成が読者を引きつける。 主人公は等身大の小学六年生。間違いもするし、欠点もあ…
三千円の使いかた (中公文庫) 作者:原田ひ香 中央公論新社 Amazon 年代の異なる女性4人、それぞれの立場から考えるお金の使い方と人間模様。 琴子の前向きさ、真帆の堅実さ、智子の憂いなどが印象に残る。 美帆はこれからの道程が気になる。 垣谷美雨さんの…
あした何着よう 美女入門20 (美女入門 20) 作者:林真理子 マガジンハウス Amazon 今回もぶれない林真理子氏。高齢者向け啓発本があふれるこのご時世にただひたすら美と食を追求する姿がまぶしい(皮肉ではありません・笑) 元気のない大人たちを元気にしてく…
のはらクラブのこどもたち 新装版 (のはらクラブシリーズ) 作者:たかどの ほうこ 理論社 Amazon のはらおばさんと木の下に集まった子供たち。 ほっこりみんなでピクニック。 草花の豆知識をききながら、どうしてこんなに詳しいの? ちょっぴり不思議な気持ち…
「十二国記」30周年記念ガイドブック 新潮社 Amazon まだPCが家になかった頃の読書記録ノートによると、十二国記の初読みは、今から27年前1995年『風の海 迷宮の岸』からとなっている。シリーズ2作目からだったのか。すっかり忘れていた。 その後い…
親が子どもになるころに: てんてん、介護問題に直面す 作者:細川 貂々 創元社 Amazon ほのぼのとした漫画で描かれているので切実な場面もやんわり包んでくれる。 介護施設の選び方など具体的な対策がわかりやすい。 親として子どもとして老いの準備を整えて…
香君 下 遥かな道 (文春e-book) 作者:上橋 菜穂子 文藝春秋 Amazon 美しい表紙画に物語の余韻を残す。 無益な闘いや殺戮はほとんど描かれず、ただ人々はいろいろな立場で与えられた使命に全力を尽くしていく。 人間も虫も植物も、みな同じ命あるものとして、…
香君 上 西から来た少女 (文春e-book) 作者:上橋 菜穂子 文藝春秋 Amazon 上橋ワールドに魅了されつつ、 とても気になるところで下巻につづく↑
星の町騒動記: オオカミさまあらわる 作者:樫崎 茜 理論社 Amazon 初めましての作家さん。主人公の視点からじょじょに物語の全貌が解かれていく感じが巧みだなあと思った。 大人として社会人としてどうなのか、と問われているようで、ワタルの心の葛藤が鏡の…
妖怪コンビニ 店長はイケメンねこ! 作者:令丈 ヒロ子 あすなろ書房 Amazon 身近なコンビニが妖怪ファンタジーの世界に転身。 のんびりほのぼのの妖怪たちと、イケメンねこ!のうめ也と の活躍が楽しい。 コンビニ食品のアレンジも夢があっていいな。 試しに…
ふしぎな図書館とアラビアンナイト ストーリーマスターズ2 作者:廣嶋 玲子,江口 夏実 講談社 Amazon 世界の名作を守るふしぎな図書。今回はアラビアン・ナイト(千一夜の物語)が舞台。主人公は前回の宗から葵にバトンタッチとなった。 葵は、ちょっぴり自意…
とあるひととき: 作家の朝、夕暮れ、午後十一時 平凡社 Amazon 作家の朝、夕暮れ、午後十一時とテーマを三つに分けて、14人の作家さんたちがそれぞれの自分時間(ひととき)を徒然に語る。 共感したり、気づかされたり、意外だったり。小説外での素顔が垣…
ショートケーキ。 作者:坂木 司 文藝春秋 Amazon ショートケーキにまつわる短編5編。 「ホール」「ショートケーキ」「追いイチゴ」「ままならない」「騎士と狩人」 前半三篇は連作、あとの二編は独立している。どの物語も口当たりが甘くふんわりやさしい。…
桜ほうさら(下) (PHP文芸文庫) 作者:宮部 みゆき PHP研究所 Amazon 桜ほうさら(上) (PHP文芸文庫) 作者:宮部 みゆき PHP研究所 Amazon 『きたきた』シリーズから『初ものがたり』そして『桜ほうさら』と江戸語りを巡ってきました。再読だったのに、内容をす…
今日は、これをしました (集英社ノンフィクション) 作者:群ようこ 集英社 Amazon 群ようこさんの生活はコロナ禍でもぶれない。 愛猫しいちゃんとの別れから引っ越しまでのこと。 半径500メートルの生活も研ぎ澄まされてきた感がする。 今日という一日を大…
病院図書館の青と空 作者:令丈 ヒロ子 講談社 Amazon 病院図書館というワードにひかれた。主人公ソラと本の世界で出会ったアオ。 二人の関係を軸に、ソラの再起とアオの再生の物語が展開される。 ファンタジーであり、同時にリアリズムも感じる。 読後感が秀…
オソロシ山のながれ星: オソロシ山のながれ星 (第2巻) 作者:富安陽子 理論社 Amazon 「妖怪一家九十九さんシリーズからヌラリヒョン・パパが瞬間移動!<帯より>」 ヌラリヒョンのパパが主人公の新しいシリーズが出ていたとは知りませんでした。 これはぜひ…