うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

2022-01-01から1年間の記事一覧

ほんとうに70代はおもしろい

ほんとうに70代は面白い (だいわ文庫) 作者:桐島 洋子 大和書房 Amazon かつて出版された2冊のエッセイ本『ほんとうに70代はおもしろい』『聡明な女は愉しく老いる』を再構成、編集し文庫化したもの。 ふむふむ。

史伝 北条政子

史伝 北条政子: 鎌倉幕府を導いた尼将軍 (NHK出版新書 673) 作者:山本 みなみ NHK出版 Amazon 歴史資料から浮かび上がってきたのは北条政子の政治的手腕だった。 有能なブレーンと強運に恵まれたとはいえ、大切な肉親を次々と失うことへの葛藤は想像に難くな…

十年屋 見習いのお時間です

十年屋6 見習いのお時間です 作者:廣嶋 玲子 静山社 Amazon 執事のカラシにミツというかわいい子猫の弟子ができた。使い魔として修業が必要だという。いくつかの物語を経てミツは主人となる魔法使いを見出すのだった。 何度見ても佐竹美保さんの挿絵が秀逸で…

奇跡

奇跡 作者:林真理子 講談社 Amazon 取材に基づいたフィクションであるということでした。 歌舞伎界や芸術のことは正直わからなくて(テレビや雑誌くらいでしか)いろいろ大変そうだなと思いました。 こういう関係性を長く保っていられたことは、二人の愛情が…

姑の遺品整理は迷惑です

姑の遺品整理は、迷惑です (双葉文庫) 作者:垣谷美雨 双葉社 Amazon もはや切実な問題として遺品の整理というとてつもない作業を赤裸々にリアルに描いている。体力的にも経済的にも追い詰められていく主人公が、次第に遺された品々から、亡くなった姑の人生…

スカーレットとブラウン あぶないダークヒーロー

スカーレットとブラウン あぶないダークヒーロー 作者:ジョナサン・ストラウド 静山社 Amazon 作者がジョナサン・ストラウド。『バーティミアス』シリーズが好きだったので迷わず手に取る(於・図書館)始めの三行からいきなりの全力疾走。主人公のスカーレ…

カムカムマリコ

カムカムマリコ (文春e-book) 作者:林 真理子 文藝春秋 Amazon コロナ禍での東京オリンピック。無事に終わって本当によかった。昨年のことなのに、なつかしく思ってしまう。変わらないのはマリコさんのスピリッツ。あくなき好奇心と探求心は敬服にあたいする…

きたきた捕り物帖

【Amazon.co.jp 限定】きたきた捕物帖 (特典:スマホ壁紙画像データ配信) (PHP文芸文庫) 作者:宮部 みゆき PHP研究所 Amazon 再読。『きたきた捕り物帖 子宝船』を読む前のおさらい、と思って『初ものがたり』から再読を始めたが、どちらもほとんど詳細を忘れ…

初ものがたり

<完本>初ものがたり (PHP文芸文庫) 作者:宮部 みゆき PHP研究所 Amazon 再読。驚くことに内容をほとんど忘れていた。『きたきた捕り物帖2』を読むにあたっておさらいをしておこうと思って手に取ったが、まるで初読みのように新鮮で面白かった。記憶力の減退…

18枚のポートレイト

18枚のポートレイト: 柏葉幸子小品集 作者:柏葉幸子 理論社 Amazon 柏葉幸子さんの小品集。どの作品も美しい色合いと景色があった。 『風待ち岬』『雪だるまがやってくる』『仁王小路の鬼』『くまこ』が心に残る。 佐藤さとる先生のおっしゃった<短編の切り…

カメレオンのレオン ないしょの五日間 

ないしょの五日間 (カメレオンのレオン) 作者:岡田 淳 偕成社 Amazon カメレオンのレオンシリーズ。 扉のサクラワカバ島と桜若葉小学校の地図をチェックしながら読む。 裏表紙の図書館半地下にあるレオンの事務所も居心地がよさそうでうらやましい。 第一話…

文豪中学生日記

文豪中学生日記 作者:小手鞠 るい あすなろ書房 Amazon 手書きの日記って良いなと思う。正直、詩のことはよくわからない。 行間から、少女の想いは伝わってくる。 正確にいうと、15歳の少女になりきった(戻った?) 大人の作家さんの想いだが・・・。 登…

虹いろ図書館のかいじゅうたち

虹いろ図書館のかいじゅうたち (5分シリーズ+) 作者:櫻井とりお 河出書房新社 Amazon 読後、本作がシリーズの三巻目であるということを知り、びっくりしました。 独立した物語として、じんわり感動していましたので。 どうりで知らない名前の登場人物が唐突…

アリスとふたりのおかしな冒険

アリスとふたりのおかしな冒険 (児童書) 作者:ナターシャ・ファラント 徳間書店 Amazon 徳間書店、佐竹美保さん画となると、つい手にとってしまう。 期待していたファンタジーではなかったが、じゅうぶん面白かった。 ユニークな学園での生活と個性あふれる…

コカチン 草原の姫、海原をゆく

コカチン 草原の姫、海原をゆく 作者:佐和 みずえ 静山社 Amazon 主人公のコカチンは元気いっぱいのお姫様。鷹のムカリを伴って異国に嫁ぐ旅に出る。同行するのはマルコ・ポーロとイル・ハン国の使節パルス、侍女のサラン。 海洋を舞台に冒険活劇が始まる。…

幸福幻想

幸福幻想 うさぎとマツコの人生相談 作者:中村 うさぎ,マツコ・デラックス 毎日新聞出版(インプレス) Amazon うさぎさんとマツコさんの人生相談。本質をズバリついてくる。言葉は厳しいが、その内には深い寛容さがみえる。 悟ってるなあ。。。

七不思議神社 幽霊の待つ学校

七不思議神社 幽霊の待つ学校 作者:緑川聖司 あかね書房 Amazon シリーズ4作目。ピリッとした小さなエピソードが重なって、ラストの謎解きにつながる。ちょっぴり怖いけど、やさしいのはこのシリーズの好きなところ。登場人物がまた増えた。七節町の世界が…

富士山のむこう側

富士山のむこう側 作者:岩崎京子 文渓堂 Amazon 戦国時代の混乱期。主人公ふじひめの明るく元気なキャラが不穏な空気を押し返します。ふじひめの成長ぶりがまぶしいラストは爽快でした。 執筆されているのは児童文学作家の岩崎京子さん。御年100歳になら…

推し、燃ゆ

推し、燃ゆ 作者:宇佐見りん 河出書房新社 Amazon 「推しが燃えた」書き出しの一行。グッと引き込まれる。 知らない単語がいくつか。「チェキ」ってなんだ? SNSの独特な言い回しが、おばちゃん(←私)には新鮮に響く。 若さあふれる表現に目を回しつつ読…

くすのきだんちのおとなりさん

くすのきだんちのおとなりさん 作者:武鹿 悦子 ひかりのくに Amazon くすの木に住む動物たちと、ひょんなことから隣り合わせになったコオロギ兄弟との交流。なんと彼らは片方だけの靴の家に住んでいるのです。 ほのぼのとした文章と、可愛い挿絵は幼い子供た…

赤毛のアン

赤毛のアン 作者:ルーシー・モード・モンゴメリ,北澤 平祐 講談社 Amazon 村岡花子さん訳に親しんだ世代として、うれしい改訂版。 『たちの悪い感冒』は『インフルエンザ』に変わり、『いちご水』はそのまま起用されていた。よかった。『いちご水』って言い…

60歳、女ひとり、疲れないごはん

60歳 女ひとり、疲れないごはん (幻冬舎文庫) 作者:銀色夏生 幻冬舎 Amazon 自分の分だけだと毎日料理するのが億劫になりそうだが、筆者は「ひとり分のごはん作り」を大いに楽しんでいる。肩の力が抜けた自由気ままな時間がいい。 料理のレシピはついてない…

ふしぎな図書館と魔王グライモン

ふしぎな図書館と魔王グライモン ストーリーマスターズ1 作者:廣嶋玲子 講談社 Amazon 主人公の宗介がいきなり放り込まれた(巻き込まれた?)童話界の一大事。 童話好きな子も、そうでない子も面白く読めそう。 一見キュートな天邪鬼との攻防がシリーズの…

魔法ものがたり

魔法ものがたり 上: 禁じられた魔法の世界 (1;1) (ア・テイル・オブ・マジック 1) 作者:クリス・コルファー 平凡社 Amazon 魔法を良い方に使うのが妖精、悪い方に使うのが魔女。 わかりやすい勧善懲悪。さくっと読めた。 『未来の繁栄は過去の忍耐にある』 …

彼の名はウォルター

彼の名はウォルター 作者:エミリー・ロッダ あすなろ書房 Amazon 物語と作中作の同時進行によって解かれていく屋敷の秘密。 複雑に絡み合った構成が秀逸だった。 コリンとタラが本のページをめくるたび自分も彼らと一緒に同じ本を読んでいるような臨場感があ…

ばけねこキッチン

ばけねこキッチン (わくわくライブラリー) 作者:佐川 芳枝,めばち 講談社 Amazon 小学三年生の柊太とばけねこ?のフィルのコンビが織りなす料理系児童書。 巻末に登場した唐揚げのレシピは親子で参考になりそう。 同作家さんの『寿司屋の小太郎』シリーズが…

李王家の縁談

李王家の縁談 (文春e-book) 作者:林 真理子 文藝春秋 Amazon 出だしの三行で梨本宮伊都子妃の人物像が定まる。 語り部としての伊都子妃の視点は、やんごとなき方々の世界の変遷(明治から昭和)をわかりやすく説いてくれる。 伊都子妃の日記から、この歴史小…

ないものねだるな

ないものねだるな (単行本) 作者:阿川 佐和子 中央公論新社 Amazon 少し強めのタイトルですが、内容は至極穏やかです。 コロナ禍での日々。お仕事関係の変化。過去の失敗談を交えながらユーモアもたっぷりと・・・は、いつもの通り。 最愛のお母さまが亡くな…

やさしい猫

やさしい猫 作者:中島京子 中央公論新社 Amazon 主人公マヤが物語る小学四年生から高校生までのファミリーヒストリー。 ハッピーエンドでよかった。 知らないことを知るって大事なことだ。 もっといろいろと思うところがあったのだが、あり過ぎてうまく書け…

老後の資金がありません

老後の資金がありません (中公文庫) 作者:垣谷美雨 中央公論新社 Amazon 切実なテーマをコミカルに前向きに描く。 後半ストーリーの展開に少々戸惑ったが、終わりよければすべてよし? 室井佑月氏の解説がエッセイのようで面白かった。