うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

2022-01-01から1年間の記事一覧

自転しながら公転する

自転しながら公転する 作者:山本文緒 新潮社 Amazon 『自転しながら公転する』読後、タイトルの言葉がじんわり心に響く。恋人たちがいろいろな壁にぶつかりながらも、お互いを分かり合い愛ある連帯へと結びついていく。 プロローグとエピローグが物語をくっ…

黒い兄弟 上・下

黒い兄弟(上) 作者:リザ・テツナー あすなろ書房 Amazon 黒い兄弟(下) 作者:リザ・テツナー あすなろ書房 Amazon 再読。初読みは『ロミオの青い空』というテレビアニメがきっかけだったと思う。今回は新装版。図書館新刊コーナーにあった。 貧しいがゆえに煙…

春の窓

春の窓 安房直子ファンタジー (講談社文庫) 作者:安房 直子 講談社 Amazon 日常からほんの少し外れたところに潜む不思議な物語。 絵に描かれた窓は、現世と常世との挟間でしょうか。 なつかしさと哀愁の和製ファンタジー。 安房直子さんは50才の若さで亡く…

輝山

輝山 作者:澤田瞳子 徳間書店 Amazon 本の厚みと読みなれない漢字の多さに完読できるか心配だったが、杞憂だった。 登場人物一人ひとりが<生きる>という名の主人公だった。 成長、男気、友情、一途、懐の深さ、憐憫、人間の業。 人の命と絆の象徴として石…

ボクもたまにはがんになる

ボクもたまにはがんになる 作者:三谷 幸喜 幻冬舎 Amazon 脚本家の三谷幸喜さんと主治医の頴川晋(えがわ・しん)先生との対談集。 前立腺がん手術の経緯を患者と術者という垣根を越えて率直に語り合う。 「癌」と呼ばないで「ぽん」と呼ぼう。 「おれ、前立…

モヤモヤするけどスッキリ暮らす

モヤモヤするけどスッキリ暮らす (単行本) 作者:岸本 葉子 中央公論新社 Amazon モヤモヤを抱えたまま、すっきり暮らすにはどうしたらよいのか。日常生活のヒントというよりは、そうかもしれないね、という共感かな。さらっと読了。 じつは今回、文章を途中…

小説8050

小説8050 作者:林真理子 新潮社 Amazon とても重いテーマ。登場人物の年齢設定が80代50代でなかったことに救われた。 楽観的ではあっても、やり直せるという希望につながる。最後まで展開に目が離せない。いっきに引き込まれていく筆力はさすがだと…

キャンプ日和

キャンプ日和: アウトドアと文藝 作者:小島烏水,田部重治,河東碧梧桐 河出書房新社 Amazon 明治から令和まで時空を越えたアウトドア文藝。 登山家・作家・詩人など多岐に渡るプロフェッショナルな方々のエッセイ、随筆、紀行文、あるいは小説を集めた一冊。 …

落窪物語

落窪物語:かわいそうな姫君と勇敢な侍女の友情と冒険 作者:花形みつる 偕成社 Amazon 難解な古典を現代風な言葉に編訳する。 女房のあこぎを語り部にすることで物語の理解がより深まった。 『あこぎのワンポイントレッスン』、作者さんが描かれたかわいいさ…

愛子の格言

愛子の格言-新装版 (単行本) 作者:佐藤 愛子 中央公論新社 Amazon 過去に出版されたエッセイの新装版。ご自身の作品を古漬けと呼ばれているが、古漬けだからこそ、深い味わいがあるというもの。昭和の荒波をさっそうと歩んでこられた。凛とした文章が心地よ…

博物館の少女 怪異研究事始め

博物館の少女 怪異研究事始め 作者:富安陽子 偕成社 Amazon 富安陽子さんの不思議世界がぎゅっと詰まったシリーズになりそう(続編が出ると決めつけています・笑)そして巻を重ねるごとに面白くなるはず。 物語の扉は開かれたばかりです。

老いの福袋 あっぱれ!転ばぬ先の知恵88

老いの福袋 あっぱれ! ころばぬ先の知恵88 作者:樋口恵子 中央公論新社 Amazon とてもわかりやすい「転ばぬ先の杖」ならぬ「転ばぬ先の知恵88」。 ユーモアあふれる老い支度へのヒント。 ときに厳しい現実にも目を向けさせる。 言いえて妙のキャッチコピー…

遠慮深いうたた寝

遠慮深いうたた寝 作者:小川洋子 河出書房新社 Amazon 日常生活と共にあるのは、言の葉のワンダーランド。 エッセイですが、小説を読んでいるようでもありました。 想像力のパワーにひきこまれます。

秘密に満ちた魔石館 3

秘密に満ちた魔石館3【小学3-4年生、中学年の読み物】 作者:廣嶋 玲子 PHP研究所 Amazon 石にまつわる不思議な物語三巻目。廣嶋玲子さんが描く数多くのシリーズ中、ファンタジー色の強い方の短編集です。六種類の石に秘められた六つの秘められた魔法。どの話…

真夏の刺身弁当

真夏の刺身弁当 旅は道連れ世は情け (わたしの旅ブックス 30) 作者:沢野 ひとし 産業編集センター Amazon 登山や旅行にまつわるエッセイ。高校生時代からコロナ禍の現在まで、全4章とコラム4pでの構成。いい感じで力の抜けたイラストとけっこうハードな体…

ひまりのすてきな時間割

ひまりのすてき時間割 作者:井嶋敦子 童心社 Amazon 『すてき時間割』自分も(大人ですが)作ってみたくなりました。 元気で前向きなひまりちゃんはもちろん、和子先生、真由ちゃん、深雪先生(笑顔の)など、ひまりちゃんを巡る人たちも魅力的でした。最後…

九十八歳。戦いやまず日は暮れず

九十八歳。戦いやまず日は暮れず 作者:佐藤愛子 小学館 Amazon 価値観、物事のとらえ方、世界観は歴史と共に変遷していくものだと感じた。 佐藤愛子さんの率直なご意見や日々の姿勢は懐かしくもあり、励みにもなる。 最後の最後で断筆宣言をされた。ご自身の…

月夜の森の梟

月夜の森の梟 作者:小池 真理子 朝日新聞出版 Amazon 『かたわれ』という言葉に喪失の重さを感じる。かけがいのない人との永久の別れ。月夜の梟になぞらえながら静かに時だけが進む。ひとりだけではない、悲しみの共有に気づくとき、束の間の安息が訪れる。 …

茨木のり子の献立帖

茨木のり子の献立帖 (コロナ・ブックス 207) 作者:茨木 のり子 平凡社 Amazon 詩人・茨木のり子さんの献立帖と日々の暮らし。 懐かしい昭和の風景と共に、ご夫婦の仲睦まじい様子が心を温かくする。

北条政子

北条政子 (文春文庫) 作者:永井 路子 文藝春秋 Amazon 再読。北条政子という歴史上の人物を母親、妻の視点から描いた長編歴史小説。 前回読んだのは、ずいぶん前だが、とても感動したのは覚えている。 ただ歳月は、受ける印象を大きく変えてしまった。 果た…

わたしの、本のある日々

わたしの、本のある日々 作者:小林 聡美 毎日新聞出版 Amazon サンデー毎日に連載された本の書評をまとめた一冊。 小林聡美さんの日常エッセイとしても読める。 紹介される本は未読のものが多かったが、 読んだことのあるタイトルを見つけると、なんだかうれ…

炎環

炎環 作者:永井路子 文藝春秋 Amazon 2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が始まる前に再読して予習する。 時代は、貴族社会から武家社会への転換期。 複雑になってしまう歴史的な出来事を登場人物に光を当てわかりやすく物語る。 もうずいぶん以前に読…

お天気屋と封印屋 ~十年屋と魔法街の住人たち・3~

十年屋と魔法街の住人たち3 お天気屋と封印屋 十年屋シリーズ 特別編 作者:廣嶋玲子 静山社 Amazon 十年屋と魔法街の住人たちの話・第3弾。今回は封印屋のポーさんから、お天気屋のビビにお茶会のお誘いです。おやつのチーズクッキーとタルトは、十年屋のカ…

ねこと王さま しごとをさがす

ねこと王さま しごとをさがす (児童書) 作者:ニック・シャラット 徳間書店 Amazon シンプルだが、実は緻密なさし絵。 ほのぼのとした文章。 好みだ。 作者さん、きっと楽しんで描いている&書いている、よね。 <ゆかい>が伝わって来るもの。 巻末にジンジ…

スウィートホーム わたしのおうち

スウィートホーム わたしのおうち 作者:花里 真希 講談社 Amazon 主人公の千沙は自分の心にまっすぐ。はっきりとした言動で誤解されることも多いが、応援したくなる女の子だ。家庭や学校のごたごたも、客観視できる精神力がある。あーにゃや小林君、という友…