うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

千に染める古の色

 

藤原道長全盛の平安時代藤原実資の姫・千古は成人とみなされる裳着を控えていた。十三才の千古が草木染の奥深さにふれつつ、初恋と失恋を経て大きく成長する姿がさわやかに描かれている。

主人公を巡る登場人物もそれぞれが魅力的。章タイトルにかさねの色目を添えているところと、物語にぴったりな挿絵が美しく楽しめた。タイトルの「千」と「古」をとって「千古」というネーミングも良いと思った。

十六章の華やかで雅なエンディングが印象に残る。

 

久保田香里さんの紡ぐ物語、好きだな。