うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

小説で「音楽を聴く」ことが可能だなんて、思いもよらなかった。

自慢ではないが、私には音楽的素養はまったくない。
その私が実際、コンサートホールに座し、
天才的なピアニストたちの奏でる奇跡の競演を堪能しているのだ。

音楽を文字に表すこと。

何度も何度も、同じようなシチュエーションの繰り返しなのに。。。
読み手(聴き手かも)を飽きさせることもなく
限られた時間の中で物語世界の到達点へと誘っていく。

魅力的な登場人物はもちろん、
素晴らしくドラマティックで冒険心に溢れているが、

一方で、作者の描写力&表現力の天才ぶりに感動してしまったのだった。

恩田陸さんて、どれだけの筆力の持ち主だ!

そして

おそらくピアノの鍵盤を意識した白と黒の装丁と清々しい表紙絵からは、
この本を編んだ人たちの「ぜひあなたに読んでもらいたい」
という情熱が伝わってくる気がするのである。