折り紙から創造・構築された和製ファンタジー。主人公・悠馬がクラスメイトの啓図と共に古からの謎を解き明かしていく。この二人がうつしみという少女と不思議な縁で出会う中盤あたりから、少しづづ過去とのかかわりがわかってくる。哀しいうつしみの身の上と現代の学校生活との両輪が主軸になってくる。終盤、クラスの子供たちが力を合わせ黒魔術師にかけられた呪縛を解き放つ場面は感動的だった。これから楽しみなファンタジー作家さんが現れた気がする。
<閑話休題>
黒紙の鳥と白銀の龍の闘う場面
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著『ハウルと火の悪魔』