昭和の香りがする奉還町商店街。そこに住む人々(おもに高齢者)の姿が生き生きと、ときに詩的に描かれる。
現実と淡いの境界線におおらかで温もりのある暮らしが浮かんでくる。主人公のさとるとあつしのコンビが町の名案内人となっている。
挿絵が秀逸。物語をさらに物語っている。本の見開きが明太子一色になったのには思わず笑ってしまった。楽しい。最後の赤い提灯も良かった。
作家さんと画家さんの感性がひとつに溶け合っていたように思う。
児童小説だが一般の方にも読んでもらいたい。
タイトルに「ラプソディ」を配したことに共感。
☆本文より抜粋↓
年寄りの心の中って、がらーんとしてて干からびてるのかと思ってたけど、しわしわの皮ふのあいだに、ラブラブが残ってるんだな