うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

小公女たちのしあわせレシピ

 

子どもの頃読んだイギリス児童文学に登場するお菓子たち。美しいレシピつき。

記憶喪失の女性が何十年も、どうやったら身ぎれいを保ち、ホテルに泊まれ、秘密の花壇を守り、豚のムシャムシャを飼えるだけの時間的余裕や経済力があったのか。

物語的にはファンタジーなのかな?

もっともファンタジーこそ、リアリティーが柱になきゃなと思うので、それもちょっと違うなあ。

・・・なんて考えつつ読了。

最後まで、メアリさんの正体は謎のまま終わったのだった。う~む。

思い出の屑籠

 

屑籠とは「紙くずなどを捨てるかご」とある。筆者らしい潔いタイトルだが、けっしてそうではないことがわかる。

大正から昭和初め、筆者の幼少期から小学校時代までの思い出、珠玉のエッセイ。

現代において、この時代を活字に表すことができる稀有な作家さんだと思う。

フォグ 霧の色をしたオオカミ

 

正統派のイギリス児童文学。希少なオオカミを救おうとする少年のお話。舞台は19世紀ビクトリア王朝時代。孤児となった主人公クレイと彼をとりまく友人たち、恩人との固い絆。その一方で、理不尽な仕打ちをする大人や世情も描かれている。物語は最後まで波乱に満ちているが、使命を成し遂げたラストはさわやかだ。

はざまの万華鏡写真館

 

廣島玲子さんによる不思議譚。そういえば写真の日本伝来は江戸時代。当時は人の魂を吸い取ると恐れられていたときく。

魂とその人にとって替えがたいあるものとの交換という設定は面白い。

リューの正体もわかったし、良き相棒もみつかったみたい。

『十年屋』に続く新しい人気シリーズとなりそう。

パッキパキ北京

 

作者さんの中国滞在エピソードが随所にいかされていて、ドキュメントしても小説としても楽しく読めた。

主人公の菖蒲(あやめ)さんは、現代(いま)を生きるカッコイイ女性だと思う。

ひと昔前なら悪女といわれたのだろうな。時代は変遷していくのだ。