うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 小さいおうち

小さいおうち

小さいおうち

時代の奔流の中<日常>という輪の内で漂う人々。
流れのままに大海の果てへと行き着くことを信じ、ある日、ふつりとシャボン玉のように弾け消え去る。後悔という残像をわずかに残して。
戦前・戦中を女中として働いたタキの一生。人と人との関わりと愛憎を思い返し紡ぎだす。時折張られていた伏線の糸は、ひねりの効いたラストに向かって集約される。