うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 大泉エッセイ

水曜どうでしょう』という番組は知らない。ただ大泉洋さんという名前はよく知っている。近年は映画に朝ドラにと大活躍されていて、その存在感は大きい。
このエッセイが出版された2013年、膨大な図書館の予約数に借りるのをあきらめてしまった経緯がある。
待望の文庫版では、筆者の二十代から四十代に渡るエッセイに加え、さらに二年分が追加され掲載されている。文章も年を重ねるごとに進化(?)している。大いに笑い、楽しませてもらった。中でも家族について綴られる言葉はやさしさで満ちている。ほろり、しみじみとさせられた。

俳優としての大泉洋さんは、<大泉洋>というキャラを演じてらっしゃる気がする。いろいろなドラマで、<大泉洋>が、どう演じるのか。視聴者が期待して観ているのを承知しているのかもしれない。このままのイメージでずっといて欲しいと思う反面、これからは良い意味で、ファンをうらぎるような役に、どんどん挑戦していって欲しいとも思う。

世の中「良いこと」と「悪いこと」は同じだけあると思っている<中略>ついてないことがあると、どこかで不幸貯金したと思い、にやりとしてしまう。

親孝行は親のためにするんじゃない<中略>自分のためにするもんだ、と。初めてじいさんという肉親を失って、そう思ったのだ。喧嘩しようが、鬱陶しかろうが、いられる間は彼らとなるべく一緒にいようと思った。(本文より抜粋)