- 作者: 川村元気
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/09/18
- メディア: 文庫
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映画を見た家人が文庫本を買ってきた。すでに母親や愛猫(「レタス」という名前。二代目の飼い猫は「キャベツ」)は亡くなっているし、父親とは疎遠だし。自分もやがて重い病で死ぬという、とても哀しい物語なのだが悲壮感はない。
主人公が客観的に自分の死を見つめているからで、それは自分と同じ顔をした死神が象徴的である。
現実の死と病を知っていれば、こんな風には書けないだろう。
死神との掛け合いといえば、森絵都さんの『カラフル』が一番に浮かんだ。
生かされている喜びを、実に爽快なラストで表現した。
真実というのは何年たっても色あせないものだ。