うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

天才

天才

天才

田中元総理大臣の栄枯盛衰。
石原慎太郎さんの小説なのだが、一人称なので、まるで田中さんご自身が書かれた私小説のように読めた。政治のからくりに至っては理解できないところもあったが、全般に読みやすかったと思う。
田中さんは、ロッキード事件でずいぶん世間から非難を浴びていたのを覚えている。
しかし、当時子供だった私個人の印象は悪くなかった。
振替休日ができたり、でこぼこ道がきれいな舗装道路になったり、飛行場が増えて便利になったり。
むしろ、一般庶民が欲していることを、即座に救い上げ、すぐに実行してくれる偉いおじさん、といった印象が強い。
高度成長期。あの時代だからこそ、存在した総理大臣だったのだろう。