うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

晴さんのにぎりずし

 

児童書の『寿司屋の小太郎』シリーズからエッセイまで、多岐に渡って執筆されている作家さん。図書館で本を見つけて手に取った。ひさしぶりにお寿司屋さんが舞台のお話しだったのでうれしかった。

主人公の久枝を中心に家族、仕事、学校でのいじめ、ジェンダーフリーなどいろいろなテーマが詰まっている。久枝を巡る登場人物もそれぞれに魅力的だ。寿司職人の晴さんはかっこいいし、久枝の友達の花音、悠太は心強い味方だ。

授業参観での久枝の作文はお寿司のワサビのようにピリッと物語を引き締めてくれた。最終章では久枝の新たな「わたしのゆめ」へとつながれていく。かんぴょうの話など随所にお寿司に関する豆知識もはさまれて楽しかった。

登場人物の個性がそのままに描かれている挿絵も秀逸。