うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

じい散歩

 

主人公新平さん89才、妻の栄子さん88才、軽度の認知症疑い。長男と三男は中年を過ぎても独身で同居中。独立している次男は長女を自認している。

言わばいろいろ抱えている家族なのだが、新平さんはただ淡々と人生の散歩を楽しんでいるように見える。

哀しいんだか、可笑しいんだか、よくわからないまま読了。

不思議にやさしい余韻が残る。

十年屋7 タイムセールいたします

 

十年にゃ、じゃなくて十年屋でタイムセールとはいったい?と思っていたら、いつもとは違う起承転結の運び。新鮮だった。イチゴのエピソードからのイチゴ終わり。最後はびしっとハッピーエンドだ。

ポーさんとツルさんのお祝いパーティで魔法街の住人達が集結する。シリーズを読んできてよかったと思ったひととき。

佐竹美保さんのイラストも、いつもながら素晴らしい。絵の魔法にかかったキャラクターたちが物語の中で生き生きと暮らしている。楽しかった。

チーム紫式部

 

子供たちには古典への興味を持つきっかけになるかもしれない。

ただこの物語をうのみにするとちょっとこまる

 

歴史物好きにはやっぱりこのシリーズかな↓

平安姫 かがやく宮廷の才女たち 紫式部、清少納言 ほか (集英社みらい文庫)

おつとめ

 

永井紗耶子、宮部みゆきさん以外は初めての作家さん。どの短編もテーマ「おつとめ」に繋がっている。

『ひのうえまのおんな』『鬼は外』は再読だが何度読んでも新鮮。さすがだ。

『道中記詐欺にご用心』は現代語を交えて読みやすかった。

『色男』は主人公のその後が知りたいと思った。

 

「暖か湯気と、食欲をそそる匂いに包まれた屋台は、冬の夜の海に輝く灯台のようだ。集まった客たちは、船頭ひとりの小さな船である。舳先を寄せ合っていっときの世間の荒波を逃れ、暖をとる」

「思い通りにならないと、しゃにむに口をとがらせ文句を言い、めちゃくちゃな理屈をつけてでも我を張らずにいられない、お金の顔が心に浮かぶ」

~『鬼は外』(著・宮部みゆき)より抜粋~

ぼくらの㊙課外授業

 

学童クラブとそこに通う六年生、四人の子供たち。主人公の良祐を中心にホームレス、家庭、働き方、死生観、初恋とテーマは広がっていく。

児童小説だが、伝えにくいことでも、あえてフィルターをかけていないところが新しい。挿絵のイラストが秀逸。