永井紗耶子、宮部みゆきさん以外は初めての作家さん。どの短編もテーマ「おつとめ」に繋がっている。
『ひのうえまのおんな』『鬼は外』は再読だが何度読んでも新鮮。さすがだ。
『道中記詐欺にご用心』は現代語を交えて読みやすかった。
『色男』は主人公のその後が知りたいと思った。
「暖か湯気と、食欲をそそる匂いに包まれた屋台は、冬の夜の海に輝く灯台のようだ。集まった客たちは、船頭ひとりの小さな船である。舳先を寄せ合っていっときの世間の荒波を逃れ、暖をとる」
「思い通りにならないと、しゃにむに口をとがらせ文句を言い、めちゃくちゃな理屈をつけてでも我を張らずにいられない、お金の顔が心に浮かぶ」
~『鬼は外』(著・宮部みゆき)より抜粋~