- 作者: 吉田篤弘
- 出版社/メーカー: 暮しの手帖社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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ああ、なんておいしそうなものばかり出てくるのでしょう。
表題のスープはもちろん、さっくり口当たりのソフトなサンドイッチ、香り豊かな味噌汁、金色スープの夜鳴き蕎麦。。。『3』というお店の名前が、またおしゃれでいいのです。安藤(アンドウ)さんのお店だから、「とわれ」なんです。アンドゥ・トワレ。
大里さんこと、オーリィくん、緑の帽子のあおいさん、大家さんのオーヤさん、律儀な少年リツくん、宙返りの得意な森田くんなどなど。。。
ネーミングと、それにぴったりとはまる登場人物、ひとりひとりが、とてもすてきなキャラなのです。
まるでぼくは「ぼんやり」した帽子をいつもかぶっているみたいだ。
<ぼんやり帽>とでもいえばいいのだろうか。
すっかり頭になじんで、かぶっている感覚もない。
(↑本文より抜粋)
わたしも知らぬ間に、目に見えない<ぼんやり帽>をかぶってしまってるにちがいない。
どこか、なつかしくせつない世界。いつまでも立ち止まって、ながめていたいような。
そんなおいしくて温かな物語でした。吉田篤弘さん。初めての作家さんでしたが、他の本も読んでみたいです。