うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 千年の時をこえて

千年の時をこえて (エンタティーン倶楽部)

千年の時をこえて (エンタティーン倶楽部)


わたしには、「好きなひと」なんて、いない。だいたい、「恋」ってものがわからない。
<扉文より>

主人公は小学5年生の少女。吉野静枝。静枝はどこにでもいる平凡は女の子なのだけれど、思ったことを上手く友人や家族に伝えられない内気な面も持つ。ある日、ヨロズバ神社で、不思議な少年に出会い。。。
静枝の親友、実和と健太。お姉ちゃんの夏実。ヨロズバ神社の神主さんなど、個々のキャラクターが生き生きと描かれている。派手な謎解きや、アクションはない。万葉集にまつわる言葉の謎かけが、わかりやすく解説され、読むごとに心にしみこんでくる。
サブタイトルが万葉集の和歌になっているのがすてき。ラストはせつない別れが待っているが、前向きな主人公がまぶしい。ほのぼのとやさしい気持ちになれる、時空を越えた初恋物語