テメレア戦記Ⅲ 黒雲のかなたへ

テメレア戦記III 黒雲の彼方へ

テメレアとローレンス、ようやく英国の帰途につけるのかと思ったら、オスマン帝国に孵化間近のドラゴンの卵を受け取りに行くようにとの指令が届く。かくしてドラゴン・クルーたち、テメレア一行は、ユーラシア大陸を横断することになる。
行けど果てない砂漠の縦断、ドラゴンの山賊（？）が潜む山脈を乗り越え、目的地に着けば命をねらわれ、果てはナポレオン率いる軍隊と真っ向から闘い敗戦の憂き目に。と波乱万丈な展開が盛りだくさん。たくさんの人間がぽろぽろと亡くなり、生まれる前のドラゴンも死んでしまう。
飢えと乾きと敗北感と・・・。三巻は読み進めるのが少々苦しい場面が多かった。ときどきクスッと笑えるエピソードや言葉のやりとりがあったのが救いだった。特に新しい登場人物サルカイが、非常に魅力的だ。グランビーとやんちゃなイスキエルカのコンビの活躍も次巻に期待大だ。