うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 目からハム

目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇

目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇

通訳でありエッセイスト。始めての作家さんだが、あの米原万里さんと親しい間柄だったという。
タイトルの「目からハム」は、日本の「目からうろこ」と同意語らしい。国が違えば言い回しも変る。日本人は意思を書いて伝えようとし、イタリア人は全身を使って表現しようとする。著者の日本とイタリア文化の齟齬に対する指摘が数々のエピソードをからめユーモラスに語られている。
「喜びや悲しみを表現する男言葉、怒りを表現する女言葉に不自由する。<中略>私たちは自分の気持ちを押さえ込み、内心なにを考えているのかよくわからない人たちと、平穏無事に日々を過ごす。ごたごたも言い争いも苦手、静かな水面に石を投げる必要などあるだろうか」(本文より抜粋)
名前を呼び合うだけで「幸せ」に浸れる日本人は、現代に平安時代を継承して生きているのだ、という説になるほど〜と感心した。
この方のエッセイをもっと読みたい。図書館に予約した。