- 作者: 井上荒野
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2011/09/01
- メディア: 単行本
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60代前後の女性三人が主人公。惣菜屋「ここ屋」が舞台。笑い声が明るい江子、ちょっとひねくれ者の麻津子、夫をなくしたばかりの郁子、それぞれ離婚、死別、恋人との行き違いなど、つらい過去を背負っている。その三人に加わるのが、20代の店に出入りする米屋の青年進。季節の食材に三人の女性の過去を絡ませ、ストーリーはゆっくりと進む。平凡な日々の営みの中から、見えてくる人生の道しるべとは。なかなか読み進めなかったが、読後はわるくなかった。
「植物が伸びるように人間は生きていく以上は笑おうとするものだ」188p