うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 キャベツ炒めに捧ぐ

キャベツ炒めに捧ぐ

キャベツ炒めに捧ぐ

「幸福な記憶も切ない思いもともにあった。ユリ根入りひろうす、あさりフライ、豆ごはん、バミセリ・桃そーす、トウモロコシのつけ焼き、キャベツ炒め・・・」(帯文より)
60代前後の女性三人が主人公。惣菜屋「ここ屋」が舞台。笑い声が明るい江子、ちょっとひねくれ者の麻津子、夫をなくしたばかりの郁子、それぞれ離婚、死別、恋人との行き違いなど、つらい過去を背負っている。その三人に加わるのが、20代の店に出入りする米屋の青年進。季節の食材に三人の女性の過去を絡ませ、ストーリーはゆっくりと進む。平凡な日々の営みの中から、見えてくる人生の道しるべとは。なかなか読み進めなかったが、読後はわるくなかった。
「植物が伸びるように人間は生きていく以上は笑おうとするものだ」188p