うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 ひみつ

ひみつ

ひみつ

「おかしい。これって、絶対におかしい。わたしの胸はさらに激しく鳴りだしていた。じゃあ、東川さんはなんのためにここに来たのだろう。ここで、彼女はほんとうに足をすべらせたのだろうか」(扉文より)
主人公、明里(小学5年生)が都会の小学校に転校したときから物語は始まる。怖い、めっちゃ、怖い。最後まで目が離せなくて、結局いっき読みしてしまった。
<ひみつ>が解き明かされていくミステリー小説ばりの展開もすごいし、怒涛のラストは衝撃的である。
殺人も報復もない。読後はちゃんと救われれるようになっている。
なのにどこか『告白』(著・湊かなえ)にも似た恐怖を感じたのは、だれもが持っている善悪の二元性を目の前にむきだしにされ、突きつけられてしまうからだろう。
児童書・YAだけとしてでなく一般小説として読みごたえがある一冊だ。