うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 これでおしまい

これでおしまい―我が老後

これでおしまい―我が老後

2009年8月号〜2010年11月号 オール読物連載。
夫がミステリー(?)と勘違いして図書館で借りた本。おかげでとても良い読書ができた。佐藤愛子さんはちょうど自分にとって親世代の年齢だ。
なるほど私の父母は普段、こういうふうに思ったり考えたりしているのか。
いろいろ心当たりの言動や行動があったので、なるほど、と手を打つ。

「私の胸には、思い出袋、といったものがあって、時々そこから遠い日のふとした情景がぽっかり浮き出てくる<中略>記憶というものはそうした形(情景と感情:ひとつの情景と同時にその時の私の感情が必ず伴っている)で残るもののようだ」
「ああ、老残の友はついに彼一人になってしまった」<本文より抜粋>
この「彼」というのは昨年亡くなられた北杜夫さんのことである。

人生の先輩としてのご意見・提言は、貴重だ。「これでおしまい」にしないで、続きをもっと書いてほしい。