うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 落窪物語

「ストーリーで楽しむ日本の古典」シリーズ。児童向けなので大変読みやすかった。まさに古典のシンデレラストーリー。現代風アレンジが他の訳書に比べ身近に感じ好感が持てた。
ヒーローの道頼やヒロインの落窪姫(すみれ姫)の恋もステキだったが、二人を支えるあこぎと惟成のやり取りがテンポがよくて楽しい。
兵部の少輔、老人の典薬助など脇役、北の方など悪役におよぶまで、筆者は愛情に満ちた筆で生き生きと人間らしく描いてくれている。
特に気に入ったのは・・・
「まあ、道頼さまったら。わたしは尻などしいておりませんわ。惟成が、尻にしかれたがるだけですの」(本文133ページ)
という、あこぎの男前なセリフ(笑)