うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 私の本棚

私の本棚

私の本棚

作家さん=読書家という構図は、かなりの割合を占めるのではないかと思う。本読みの共通点として蔵書の保管アイテム、本棚の確保は最大の関心事であり急務でもあるのだろう。
天井まで達する本棚の所有者であっても、やがて横軸の隙間さえもが時とともに浸食され、なおも溢れ出し、ついには床に山をなしていく・・・。
この繁殖ぶりは、もはや読書人の性(さが)というしかないらしいのだ。こうなればいっそ、電子書籍に変えてみればいいのではないか、と思うのだが、ずらりと並ぶ背表紙と一枚一枚の紙の手触りなくして、本読み人の心は満たないのであろう。。。というのが、「私の本棚」に登場する著名人の方々の主だった共通点であった気がする。
作家でもなく、映画監督、俳優、登山家でもない、ごく一般的な主婦にとって(私だが)蔵書を増やすのは経済的物理的に無理であるから、彼らの嘆きほどの本の害は被らないのだが、しかし同じような境遇であれば、すぐにでも仲間入りできるほど、気持ちはよくわかるのだった。
登場されるどの方の本棚に関する体験談あるいは苦労話もたいへん興味深く、ときに失笑するほど面白かったりもしたが、特に印象に残ったのは十二国記シリーズの著者である小野不由美さんと、今は故人となってしまわれた児玉清さんの本棚に関する愛ある一過言なのだった。
本を愛する人にとって本棚は単なる入れ物ではなく、その人格さえも投影してしまうパンドラの箱であることが今回改めてよくわかった気がする。