うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 仕事道楽 新版

ジブリアニメの一ファン、一観客として、そのときどきの懐かしい風景を思い浮かべることができた。豪胆で憎めない職人気質の人々の足跡を読むのは、楽しい。

世の中の規範は、より正しく、より公平さを求める方向を目指している。秩序ある社会には当然だし必然だ。
一方で、文化・芸術というカテゴリにおいて、偏屈な人間、型破りな人間、超マイペースな人間、それでも尊敬できる人物、というのは、受け入れられる器(社会や人の)が狭まる分、近い将来、存在しにくくなるだろうな、とも思った。
希少な才能に秀でた人たちが異分子として、良い意味でのトゲを断ち切られ、規格品に収まるよう均され、片隅に追いやられていく。そんなことが起きませんようにと願う。


「彼(宮崎駿監督)にとって重要なのは、記録じゃなくて記憶なんです」
「ぼくの好きな言葉に『道楽』というのがあるんです<中略>無理に何かになろうとしないで、そのときどきを楽しみ、その人が好きだからやる。これはまさに『道楽』でしょう?」
「困難は楽しんだ方がいい。その時のコツは、困難を他人事だと思うこと。問題を客観的にみると解決方法が見つかることがあるんです」(本文より)