うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 日記1、2 中国滞在録

日記〈2〉「鳳凰わが愛」中国滞在録

日記〈2〉「鳳凰わが愛」中国滞在録

中井貴一さんは演技の上手い役者さんだというイメージがある。その昔、おねえさんの中井貴恵さんのエッセイを読んでいたこともあり、弟さんはどうなんだろうな〜、という興味で新刊書架から手に取った。(今年は、なんといっても北京オリンピック開催年だし)
「2」というからには「1」があるにちがいない。検索していみると、「1」に当たる「日記〜ヘブン・アンド・アース〜」は、地下書庫に眠っていた。所定の手続きをふんで2冊手に入れる。まず「日記2 〜鳳凰わが愛〜」から先に読んだ。やはり世情に近いほうが読みやすいと判断したからだ。
歯に衣を着せぬ語り口は、文学的ではないが、好感が持てた。人間の基本は「衣・食・住」だなあと改めて思う。なぜなら、この本はその事柄で埋め尽くされているからだ。中井貴一という俳優さんの目から見た、率直な独断と偏見の中国。長い歴史と価値観のちがいに大いに惑わされながらも、荒削りだが、内包された可能性にじょじょに惹かれていく彼の気持ちが伝わってくる。
日記―「ヘブン・アンド・アース」中国滞在録

日記―「ヘブン・アンド・アース」中国滞在録

「日記 〜ヘブン・アンド・アース〜」は、「2」の三年前に出版されている。どちらも中国で撮影された映画のあれこれを書いた日記だが、「2」に比べれば、ずいぶん赤裸々な内容になっている。(遅々として進まぬ撮影に業を煮やし、ときどき雄たけびを上げている・笑)出版してから、中国のwebで取り上げられ、物議を呼んだらしい。本の一部だけ取り上げ、そこだけ読めば、確かに誤解されそうだ。しかし、おもしろさからいくと、2よりこの日記が上かと思う。
「開いた口がふさがらず、あごが地面について、擦りむけたよ」(本文抜粋)
↑これには笑ってしまった。中井貴一さんのキャラからは想像がつかない。
俳優さんて本当にたいへんな仕事だ。
鳳凰わが愛」「ヘブン・アンド・アース」たくさんのひとたちが、ひとつ(?)になって、作り上げた渾身の映像。どちらの映画も観たくなった。DVD借りてこようかな。