うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 黄金旋律 旅立ちの荒野

カドカワ銀のさじシリーズの一冊。『風の丘のルルー』『シェーラひめのぼうけん』『魔法少女マリリン』etc.<少女>を主人公とした数々のファンタジーの傑作が印象に残る作家さんです。最近では『ささやかな魔法の物語』『コンビニたそがれ堂』などYA向けの短編集も読み応えありました。
しかしこの本は、それまで持っていたイメージ、魔法=ファンタジーという囲みををいっきに払拭するような、新しい世界観をみせてくれます。
主人公が14歳の<少年>というのも異色なら、SFとファンタジーの融合という不思議な、それでいて絶妙なバランスのある物語というのもユニークです。
個人的には、本の帯と扉文はあとで読んで欲しいと思いました。そのほうがより、主人公とともに驚き、喜び、かつ楽しめるのではないかと感じました。
つらい前半を乗り切り、次の巻につながる後半に胸を躍らされました。