うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 朝のこどもの玩具箱

朝のこどもの玩具箱(おもちゃばこ)

朝のこどもの玩具箱(おもちゃばこ)

産経新聞大阪本社夕刊で、毎週土曜日、2007年から2008年に掲載された6つの小説の短編集。
『謹賀新年』十七歳の安奈と継母の麻衣子。父と夫を亡くした二人の思いが過去の思い出とともによみがえる。
『ぼくの神さま』父親のトートが亡くなった。原因不明の病気がもとで。十二歳になったフユンは、村の医師フンと真実を追究しようとするが・・・。ファンタジー
『がんじっこ』「がんじっこ(頑固者)婆あ」と呼ばれるシゲばあさん。福祉課の金原さんは、上司に仕事を押し付けられてしぶしぶ訪ねていく。平和の尊さ。
『孫の恋愛』狐の諏珠の孫、胸白が、あろうことか人間に恋をした。全編、狐視点なので、「他人事」が「他狐事」、「人間の女性」が「人間の雌」、「一人前」が「一狐前」etc.ユーモアにあふれた狐語が楽しい。アニメ<平成狸合戦ぽんぽこ>を彷彿した。
『しっぽ』いじめられっ子の晴日、ひょんなことからしっぽが生えた。唯一の友達、スギくんが、いい味出している。
『この大樹の傍らで』荒れ果てた地球に帰還する子どもたち。勇気と友情のSF物語。ラストのどんでん返しがうれしい。

なぜ『こどもの玩具箱』なのか。
読んでみて納得した。