うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 人間の運命

人間の運命

人間の運命

運命に身をまかせる気はない。しかし、運命に逆らうこともできない。そこでできることは、ありのままの自己の運命を「明らかに究める」ことだけだ・・・。<帯文より>
今まで筆者が書いたことのない、書けなかったできごと。終戦後、朝鮮半島から日本に引き上げるまでの壮絶な日々。第一章「運命の声」は、鬼気迫るものがあった。当たり前のように受け入れている平和だけれど、偶然ではないのだと改めて思う。最近まで新聞連載されていた『親鸞』についても言及されている。わたし自身としては、やはり性善説を信じていたいけれど、筆者が思春期に目の当たりした厳しい現実を思えば、性悪説もまったく否定できないものがあった。