うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 ハーブガーデン

ハーブガーデン (物語の王国 10)

ハーブガーデン (物語の王国 10)

小学五年生の由美。自分の本心を口に出していうことが苦手。仕事を持っているお母さんと、単身赴任中のお父さんの三人家族。
草野たきさんの描く少女は、大人の合わせ鏡のようなもの。親としての痛いところを容赦なく突いていきます。由美のように理路整然と自身の感情を語れることはできないにしても、大なり小なり、子どもの頃に体験した、何らかの理不尽なものに対するもやもや感を思い出させてくれたりもします。きっとひとりひとりの思いが、きっちり描かれているから、読者もつい自分に投影してしまうのでなないでしょうか。(携帯のシーンは、やや強引でしたが)
花蓮ちゃんと木村くんのエピソードは、よかったです。最後にようやくホッと息がつけましたもの(笑)