うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 薄紅天女 上・下

薄紅天女 上 (徳間文庫)

薄紅天女 上 (徳間文庫)

薄紅天女 下 (徳間文庫)

薄紅天女 下 (徳間文庫)

勾玉三部作の中で、唯一再読してなかった本、「薄紅天女」。
初読は1996年だから14年ぶりということになる。読んでみて驚いた。すごく面白い。なんで今まで再読しなかったのだろう。(軽装版まで買っておきながら)
上巻は、坂東で育った少年・阿高が主人公。双子のような存在、二連の藤太との友情が主軸とすれば、下巻は、皇女・苑上を主人公にした歴史ファンタジーだ。『更科日記』をベースに、ここまで物語を膨らませる力量はすごいと思うし、歴史上に構築されているので、どちらかというと恋愛物語だった「勾玉」「白鳥」とは、良い意味で異色な感じを受けた。
また巻末の佐藤多佳子さんとの特別対談<勾玉三部作を巡って>は、三部作の原点が見え、興味深く、大変読み応えがあった。