うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 天草の霧 〜白狐魔記〜

天草の霧

天草の霧

白狐魔記シリーズ(「源平の風」「蒙古の波」「洛中の火」「戦国の雲」)に続く5作目。今回は江戸時代、将軍家光の時代。島原が舞台となっている。島原といえば、<島原の乱>の天草四郎だが、この本は、彼を悲劇のスーパー・ヒーローにするのではなく、ひとりの異能を持った少年として描いている。白狐魔丸は、人間とかかわりたくないといいつつ、いつも闘いの渦中に巻き込まれてしまう。歴史という大きなうねりに立ち打つことができないとわかっているからこそ、弱い者を見捨てておけない性分なのだろう。
同シリーズを8年以上も読み繋いでいると、悲しいことに、最初の方はほとんどの内容を忘れてしまっている。次のタイトルは「元禄の雪」らしい。となると、やはりキーワードは<四十七士>? できれば現代まで白狐魔丸には活躍してほしい。