うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 ゆんでめて

ゆんでめて しゃばけシリーズ 9

ゆんでめて しゃばけシリーズ 9

人生の岐路というものに、ひとはいくつか出会うことがありますが、主人公の若だんなは、その人生の分かれ道で、本来行くべき道と違った道を行ってしまったのでした。。。
物語の冒頭は、いきなり四年後から始まります。一瞬、シリーズのどれか一冊を読み飛ばしてしまったかしら?と首をひねりましたが、違ってました。5つの短編を読み進むうち、作者が「時」に仕掛けたストーリーの罠にすっかりハマっていたことに気づいたのです。じつに巧みな構成です。ラストのタイトルが「始まりの日」なのですから。
もちろん作者は、若だんながもう一方の道で出会った魅力的な登場人物をこのままにしておく気はないと思います。彼女の生み出したキャラクターはそのままそっくり、次の新しい物語のタネとして使う算段に違いありません。ひと粒で二度おいしい。さすが、若だんなの生みの親です(笑)