うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 若様組まいる

若様組まいる (100周年書き下ろし)

若様組まいる (100周年書き下ろし)

アイスクリン強し」の続編(内容自体は前編)。
若様たちが巡査になる前、教習所一期生の頃の話。
世が世なら「若殿」と呼ばれていたはずの長瀬健吾ら「若様組」の面々は、身を寄せる旧来の家来や自身の生活基盤を得るため巡査試験を受ける。見事全員合格するが、最初に彼らを待っていたのは、巡査教習所という大きな壁だった。
教習所は、薩摩藩出身者、商家の子息、徳川士族など、出仕・思想相反する青年たちの、明治維新の混沌をあらわすような集団でもあった。
血気盛んな青年たちが、互いに反目しあいながらも、いつしか垣根を乗り越え、友情を育んでいく過程がおもしろかった。
ピストル強盗犯捜しの伏線も張られているが、読後の感想は、青春学園ドラマのような感じを受けた。
アイスクリン・・・」の真次郎の出番が少なかったことは残念。
数多くの登場人物の名前とプロフィールを覚えるのに苦労した。読後、本の最初の方に、登場人物紹介があったことに気づいた(爆)