うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

エメラルドアトラス 最古の魔術書

エメラルド・アトラス―最古の魔術書

エメラルド・アトラス―最古の魔術書

『両親が失踪したのは、クリスマス・イブの夜。4歳だったケイト(キャサリン)は、母と最後にかわした約束、「弟マイケル、妹エマを守ること」を、一番に考えて生きてきた。それから十年、辺境の地ケンブリッジフォールズにあるぶきみな孤児院に送られることに。そして今年もまたクリスマスが近づいていた』<扉文より>
魔法使い・ピム博士、勇敢な戦士・ガブリエル、魔女・伯爵夫人、伯爵夫人の腰ぎんちゃくキャベンディッシュ、最後まで姿を現さなかった悪の大親分ダイア・マグヌス。ドアーフのロビー、人質になっている子供たちアニーとスティーブン。どの登場人物もキャラが立ち、勧善懲悪なので理屈抜きに楽しめた。
指輪物語ナルニア物語など、過去のファンタジーを彷彿するようなシーンがある一方で、主人公たちがタイムスリップをするというSF的な要素も含まれている。中盤、時間軸が複雑になって混乱し、前ページを読み返すことがあった。
作者は脚本家だったということで、話し言葉が生き生きとしている。展開が速く、三人の視点で交互に描かれているので最後まであきることなく読み応えがあった。この本は三部作になるという。続編に期待。