うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 炎路を行く者

<あとがき>でこの物語がもともと長編であったことを知る。バルサの少女時代の短編『十五の我には』も収められている。
『蒼路の旅人』でのヒューゴが、主人公を圧倒しそうな存在感をあらわしていたのは、こういう物語が背景にあったからなんだ、と納得した。
「・・・十五の我には、見えざりし、弓のゆがみと、矢のゆがみ、二十の我の、この目には、なんなく見える、ふしぎさよ」<本文中より>
作中の詩が物悲しくも力強さを感じさせる。読んでよかった。