うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 精霊の守り人 NHK大河ファンタジー

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

1996年8月、私の読書ノート(手書き)に『精霊の守り人』は登場します。
まだインターネットというものを知らなかった時のことです。
児童書の扱いは、一部の名作といわれる本以外は「たかだか子供相手の軽い読み物」。ファンタジーなどは「荒唐無稽の絵空事」で済まされる時代でした。
そのときすでに、荻原規子氏、小野不由美氏に傾倒していた私は、もう一人、新たな和製ファンタジーの旗手が生まれたと確信を持ったのです。
20年後、この『精霊の守り人』がNHKの大河ファンタジーと銘打ち(その前にアニメにもなりましたが)テレビドラマ化されるなんて。できるものなら、当時の私に教えてあげたい、と思ってしまいました。
・・・というわけで
第1回オープニングの曲が流れた瞬間、不覚にも涙腺がゆるんでしまったのでした( ;∀;)
児童文学が「子供から大人までが楽しめる文学」であると認められた気がしました。児童文学の末端の末端で(落っこちそうになりながら・笑)、ささやかに創作し続けている者としての感動です。
ファンタジーが、実は最もリアリティーを大切にする分野であること。無いものから実存する世界(読者の心の中に)を構築することが、どれほど困難なことか。さらにそれを映像に表現する過程を考えると、途方もない気がしたのでした。
テレビドラマの脚本の段階で、上橋菜穂子さんも加わって、シリーズ全体の構成をじっくり話し合われたそうです。次回シリーズは来年の1月からということです。本は本、ドラマはドラマとして楽しんでいきたいと思います。そして、このドラマを観た子供たちが1人でも多く、本を手に取って、無限の可能性が詰まった物語を読む喜びに出会えますように、と願っています。