うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 もう一枝あれかし

もう一枝あれかし

もう一枝あれかし

江戸時代、小舞藩が舞台。短編5編。
「甚三郎始末記」「女、ふたり」「花散らせる風に」「風を待つ」「もう一枝あれかし」
筆力と共に流麗な文章はさすが、と思う。男女間の哀切をテーマに描かれるわけだが、残念なことに登場人物の息吹があまり伝わってこない気がした。
「甚三郎始末記」では出だしが秀逸だっただけに、お里の登場から突然、路線が変更されてしまったような唐突感があった。次回作に期待。