うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 ブルーとオレンジ

ブルーとオレンジ (文学の扉)

ブルーとオレンジ (文学の扉)

イジメからの脱却を試みる少年、自称「ブルー」、小学5年生。
イジメを止めさせたい少女、「オレンジ」同じく小学5年生。

二人の視点で描かれるひとつの物語。

秀逸なのは、危機的状況を自覚したブルーが、ふとした言葉に出会い、イジメのリンクから知恵と勇気を振り絞って脱出するところ。新たなイジメを目撃することで、怒りを爆発させてしまうところ。
後半に「オレンジ」の語りの中で、「その後のブルー」が明かされていくところ。

ふたつの物語がハーモニーのように重なっていく。構成がすごく上手い。

ここでは大人たちは無力だ。子どもたちの問題を子どもたち自身が考え解決していく。