『鹿の王』のスピンオフ。医術師のホッサルとミラルの活躍。ホッサルの従者・マコウカンが要所要所で大変頼りになるので彼が出てくるとホッとするのだった。
読後は、なぜタイトルが『水底の橋』なのか少しだけわかった気がした。人の生と死、医療の在り方、など現代にも通じるものがある。
後半の法廷劇(?)は、緊迫した雰囲気で読みごたえがあった。面白かった。
「欄干から身を乗り出して川を見下ろしたとき<中略>川底に長く横たわっているものが見えたんだ。沈んだ古い橋の橋桁だった<中略>川底を横切ってずっと向こうの対岸まで繋がっていた。橋だった頃の姿を残して、水底で繋がっていた」
(ミラルの父、ラハルの言葉より・265p)