児童文学と銘打っている。子供から大人までが楽しめる文学と理解した。主人公・涼音を中心に明智光秀、本能寺の変までの軌跡を読み解く。
本書では詳しく描かれてないが涼音・風斗・小隼、三人のドラマがこの物語の以前にあったはずだ。文章力のある作家さんなので、字の大きさ、ぺージ数の制限なく書き込めていれば、前後編でもおかしくない内容だった。
幾重にも重なったエピソードをこの枚数で(特に、涼音と俶子のエピなど)上手く盛り込めたなあと思う。児童文学の枠に収めるために作者さんはどれだけ文章を削ったのだろう。想像に難くない。
大胆な構図のイラストもインパクトがあった。あの『車夫』(いとうみく・著)と同じ画家さんだった。
あとがきと解説では、知らなかった歴史を知ることができた。面白かった。