『こそあどの森』がまた読めるなんて思ってなかった。完結したはずなのに。
新刊コーナーで見つけたときはタイトルを二度見してしまった。とてもうれしい。
内容は期待にたがわず。リアルな不思議世界が展開されている。
この<リアルな>という感覚、が岡田ファンタジーの真骨頂なのだと思う。
本当にこんな森がどこかにあるかもしれないという感覚。
本を開けるたび戻ってきたなって懐かしくなるような感覚。
「子どものころのことって、おとなになっても、つながっているんだね」(本文より)
スキッパーはバーバさんにどこで写真を撮ってもらうのかな。
作者ご自身の手による挿絵は、やさしい緻密さと線の温かみを感じる。
<閑話休題>
今よりさかのぼること二十数年前。わが町で岡田淳さんの講演会があった。
講演後、「何か先生に伝えたいことはありますか?」と司会の方がいったので
私は喜んで手を挙げた。
「私、『二分間の冒険』が大好きなんです。でも岡田先生の描いた挿絵でなかったのが残念でした。岡田さんの描かれた絵で、もう一度、読んでみたいです!」
とむちゃぶりしたのだった。
若気の至りです・・・今でも冷や汗が。