良妻賢母、亭主関白のフレーズが思い浮かぶ。昭和だ。
日下部龍樹(中学一年生)の両親は、推定年齢から、たぶん二世代くらい前の信条を何故だか頑なに持っている。ただし表層部分だけだが。実際、昭和の良妻賢母は家事全般のプロフェッショナルだったし、亭主関白も筋の通った一家の大黒柱だったと思う。ていうか、そうなるようにがんばっていたような気がする。
他方、八方ふさがりで苦戦しているように見える主人公・タツだが、幼馴染のカホ、友達のアヤ、マサルの三人と、お弁当作りのアドバイザー、マシロの存在に救われる。なかなか見どころのある少年なのだった。