うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

2024-01-01から1年間の記事一覧

捨てたい人捨てたくない人

捨てたい人 捨てたくない人 (幻冬舎単行本) 作者:群ようこ 幻冬舎 Amazon タイトルをテーマに短編5編。オチがあるようでないような。でもそれが、身近に起こっていそうなリアリティに繋がった。群さんらしい。

ぼくらナイトバスヒーロー

ぼくらナイトバス・ヒーロー 作者:オンジャリ Q. ラウフ 静山社 Amazon イギリス児童文学。主人公のヘクターは10歳。イギリスのロンドンで家族と暮らしている。彼は家庭での自分の存在に不満を感じているらしい。学校ではかなりの悪童で通っている。そんなと…

記憶の歳時記

記憶の歳時記 作者:村山 由佳 ホーム社 Amazon 一人の女性が歩んできた半生の記憶。過去にあった母娘の葛藤も俯瞰され、抒情的なエッセイになっている。猫ちゃんたちの写真がかわいい。

再会の日に

再会の日に 作者:中山 聖子 岩崎書店 Amazon 両親の事情により別々の道を歩むようになった姉妹。ある日、ひょんなことで再会することになり・・・。主人公・陽架の視点から透けて見えてくる一人ひとりの想い。妹の未怜、叔母の真尋、母親、父親、祖母。誰も…

絵本のまにまに

絵本のまにまに 作者:長野ヒデ子 石風社 Amazon 絵本作家、長野ヒデ子さんのエッセイ。戦後の体験も踏まえたご自身の人生の歩みであり、日本児童文学界の歴史の道程でもある。分厚い本だが、わかりやすい言葉で綴られているので読みやすかった。 名前でしか…

ヒビノカテ まあいいか4

ヒビノカテ まあいいか4 作者:大竹 しのぶ 幻冬舎 Amazon 俳優大竹しのぶさんがエッセイを書いておられたことを初めて知った。しかも四冊目とは。舞台やドラマで観る姿からは想像できない家庭人としてのしのぶさんがいた。ご本人もそのギャップを面白がって…

ベスト・エッセイ 2024

ベスト・エッセイ2024 光村図書出版 Amazon あらゆるジャンルで活躍されている方々のエッセイ。贅沢な一冊。北大路公子さん、三浦しをんさん、浅田次郎さん、宮辺みゆきさん、群ようこさん、堺雅人さん、松重豊さん・・・他にもたくさんあり過ぎて感想が出て…

大家さんと僕 これから

大家さんと僕 これから(新潮文庫) 作者:矢部太郎 新潮社 Amazon 素朴な絵と会話だけで読ませてくれる。幸せな出会いと避けがたい運命の終焉。 誰しも<いつか>は訪れてしまうのだ。 世代を越えた友情は、筆者の思いが続く限り、物語となって生き続けるよ…

成瀬は天下を取りにいく

成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon 成瀬あかりと島崎みゆき二人の友情がほほえましい。 彼女達を取り巻く友人や大人たちも、それぞれいい人だった。 6タイトルの内『ありがとう西武大津店』が一番面白かった。 書き出し…

くもをさがす

くもをさがす 作者:西 加奈子 河出書房新社 Amazon カナダでがん治療。医療体制の違いに戸惑いながら、友人たち、医療関係者、家族に支えられ、寛解にたどりつく。そこはグランドフィナーレではなく、新しい困難の始まりでもあった。医療者たちの話し言葉の…

のち更に咲く

のち更に咲く 作者:澤田瞳子 新潮社 Amazon 本年のNHK大河ドラマ『光る君へ』を観ている。登場人物のイメージが演じている俳優さんに重なった。 日本史に疎いため、よくわからないところは検索しながら読んだ。実在する人物、出来事と創作とのバランスが…

きらん風月

きらん風月 作者:永井紗耶子 講談社 Amazon 永井沙耶子さんの本は新刊が出ると手に取りたくなります。今回も期待をうらぎることなく最後まで魅かれて読みました。 文人墨客・栗杖亭鬼卵という人物はまったく知らず、まして江戸文化などの知識は歴史で習った…

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 ~吉凶通り1~

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 吉凶通り1 作者:廣嶋玲子 偕成社 Amazon 銭天堂新シリーズ。善福書店の店主・善二が初登場。銭天堂の不思議界隈はますます複雑に広がるばかりのようだ。短編8編のうち1編は善二さんが主人公の短めな話『開店準備』が挿入されている。…

竜が呼んだ娘 ~魔女の産屋~

竜が呼んだ娘3 魔女の産屋 作者:柏葉 幸子,佐竹 美保 講談社 Amazon いよいよミアが竜騎士としての一歩を踏み出した。(王の許可はまだだけど) ミアの周りには、成長著しいコキバ、たのもしい相棒、竜の五爪。 ウスズを始めとするミアを見守ってくれている…

レーエンデ国物語

レーエンデ国物語 作者:多崎礼 講談社 Amazon 初めての作家さん。異世界ファンタジー。魅力ある登場人物、壮大な世界観。これからどんな物語が構築されていくか、期待を持たせる終わり方だった。 個人的には、現代的な軽いノリの会話がなんだか居心地悪かっ…

極楽征夷大将軍

極楽征夷大将軍 (文春e-book) 作者:垣根 涼介 文藝春秋 Amazon 室町幕府のことは歴史では習ったものの実際、どんな時代だったか、はっきりおぼえていなかった。足利尊氏といえば、騎乗の絵姿が印象的だったが、そうか、あの独特のヘアースタイルは(本文では…

6days 遭難者たち 

6days 遭難者たち 作者:安田夏菜 講談社 Amazon 最後までいっきに読んでしまった。遭難から救助されるまでの6days 。坂本美玖、河合亜里沙、川上由真、高校生三人が、それぞれ抱えている悩みを昇華するため日帰り登山に臨む。 最初は気軽に登山を楽しん…

こそあどの森のないしょの時間

こそあどの森のないしょの時間 作者:岡田淳 理論社 Amazon こそあどシリーズのOther Storise。 こそあどの森に住んでいるひとたちの、それぞれの時間に起こった小さな不思議。 どのタイトルも面白かったけれど、スキッパーの『日記帳にちいさな葉っぱをはさ…

マリコ、アニバーサリー

マリコ、アニバーサリー (文春e-book) 作者:林 真理子 文藝春秋 Amazon 改めて林真理子さんの多岐に渡る人脈の広さに感心した。ズバッと世相を斬ってみせるが、過激な言いようでいて、誰も傷つけていない(たぶん)。 タイトル『〇〇〇〇菌の朝』の「親しき…

いいわけはつづくよどこまでも

いいわけはつづくよ どこまでも 作者:岡田 淳 偕成社 Amazon 毎度、孫とおじいちゃんの掛け合いが抜群に面白い。オチのつけ方が絶妙。 四巻目だけど、文庫本でいっきに読んでみたい。出版してくれないだろうか。 中身にぴったりの挿絵も良い。

続 失踪願望。 さらば友よ編

続 失踪願望。 さらば友よ編 (集英社学芸単行本) 作者:椎名誠 集英社 Amazon 『失踪願望』からの続編。目黒考二氏が亡くなられたことは群ようこさんのエッセイで知った。現在より若い頃の『本の雑誌』のメンバーを懐かしく思い出す。 『パタゴニア』(ご本人…

失踪願望。 コロナふらふら格闘編

失踪願望。 コロナふらふら格闘編 作者:椎名 誠 集英社 Amazon ひさしぶりの椎名節と思いきや、こてこての格闘編が控えていた。 webサイト『ウェブマガジン集英社学芸の森』(2021年7月7日~2022年10月12日)より単行本化。日記形式なので読みや…

ねがいの木

ねがいの木 作者:岡田 淳 ビーエル出版 Amazon 既刊『チョコレートのおみやげ』と同じく岡田淳さんの文と植田真さんの絵。 二世代に渡る長い長い物語が、草原の一本の木から始まる。 読後、お大叔母さんとわたしの会話が静かな余韻を残す。

学校に行かない僕の学校

YA

学校に行かない僕の学校 (teens’ best selections 67) 作者:尾崎 英子 ポプラ社 Amazon フリースクールを背景に14歳の少年たちの揺れ動く心情を繊細に描く。 「話す」は「離す」 「自分の気持ちは自分だけのもの。他人の気持ちはその人たちだけのもの」 心…

竜が呼んだ娘 闇倉の竜

竜が呼んだ娘2 闇倉の竜 作者:柏葉幸子 講談社 Amazon 王宮の部屋子になった少女ミア、11才。確か1巻目を読んだのが2013年。この2巻目も2018年頃に読んだはず(出版社が違う?)ほぼ内容を忘れていた。 ひさしぶりにスケールの大きな和製ファンタ…

真夜中の4分後

真夜中の4分後 作者:コニー・パルムクイスト 静山社 Amazon タイムリープ。少年の母を思う気持ち、母の死を受け止めるまでの静かな奇跡が描かれる。 魅力的な設定であったが、文章のリズムに乗り切れなかった。 良い悪いではなく好みの問題だと思う。

スナックこども

スナックこども 作者:令丈ヒロ子 理論社 Amazon タイトルからして手に取らずにいられない。カンペキに子ども目線で書かれている。 この本を読んだ子たちからは大絶賛と共感の嵐を呼んでいるのに違いない。(大人だってこんなスナックがあったらほしい←小さな…

動物たちのささやき

Yellow Brown 動物たちのささやき (休み時間で完結パステルショートストーリー) 作者:堀米 薫 国土社 Amazon 子供たちと動物たちのふれあいをショートショート七編にまとめた短編集。 読書時間がなかなかとれない子、本を読むのがあまり得意ではない子など、…

時の過ぎゆくままに ~三谷幸喜のありふれた生活18~

三谷幸喜のありふれた生活 (18) 時の過ぎゆくままに 作者:三谷 幸喜 朝日新聞出版 Amazon ありふれた生活18巻。2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を話題の中心に、息子さんのこと、ご自身の体調のこと、惜しくも亡くなられた名優・監督・脚本家、…

茶柱の立つところ

茶柱の立つところ (文春e-book) 作者:小林 聡美 文藝春秋 Amazon 日常に垣間見る何気ない風景をていねいな筆致ですくいとる。 読んでいてホッと息をつけるようなエッセイ。 茶柱は少々雑で抜けている茶こしの方が立ちやすい、とは言い得て妙。