うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

テメレア戦記 Ⅰ・Ⅱ

[テメレア戦記] I 気高き王家の翼

[テメレア戦記] I 気高き王家の翼

テメレア戦記II 翡翠の玉座

テメレア戦記II 翡翠の玉座

年末年始をかけて、細切れの時間を利用し、ようやく読み終えた。ⅠからⅢまで図書館で借りていたのだが、Ⅲは期限切れで残念ながら返却。貸し出し延長は<予約者あり>だったのでできなかった。
チャーミングで頭脳明晰、魅力的なドラゴン・テメレアと、愛と勇気あふれるキャプテン・ローレンスの熱い友情を軸に、歴史的史実をモチーフとしたユニークな発想とダイナミックな展開のファンタジー
Ⅰは、彼らの馴れ初めから始まって英国空軍の戦闘、基地での生活、ドラゴンと人間の関係などプロローグ的な内容だった。Ⅱはうって変わって海洋冒険物語に突入、後半は中国を舞台に歴史ファンタジーの様相をみせる。
ドラゴンは、これまでかつて読んだことがないほど擬人化されている。なんとドラゴンは風邪をひいたり、恋をしたり、詩を綴ったりするのだ! 覚えきれないほど登場人物が出てくるが、主要人物以外は、ストーリー展開上の単なるコマであり、人間ドラマが書き込まれてないので、ばたばた戦死してもドラゴンの死ほど悲壮感がない。
獣の奏者』の余韻をまだ引きずっているから、このドライさが、最初は気にかかったが、「これは理屈抜きに楽しむ本なんだ」とわりきると、どんどんおもしろくなってきた。
ドラゴンの権利意識に目覚めたテレメアと中国のドラゴンの実態を目の当たりにしたローレンスのこれからのスタンスがどうなるか楽しみだ。