うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 神様のカルテ

神様のカルテ

神様のカルテ

主人公は地方の病院で働く若手青年医師、栗原一止。夏目漱石を愛するあまり、日常でも古めかしい言い回し&言葉遣いをしてしまうというちょっと変ったお医者さまである。
奥さんのハルさんは、小柄で可憐な外見とはうって変わって行動的なカメラマン。ふたりはもと旅館だったという御獄荘に住んでいる。そこにはさらに個性的な面々が隣り合わせ。。。魅力的な登場人物満載で最後まで、飽きずにさらさらと読める。
これがデビュー作というのだから、もっと構成や文章が錬られてきたら、どんどん名作を生み出す作家さんになるに違いない。
病院が舞台だが、とてもハートウォーミングでやさしい物語だった。雰囲気的に、夏目漱石『坊ちゃん』の病院版みたいだなと思う。
ハルさんは一止にとっても、作者の夏川さんにとっても、理想の妻<マドンナ>に違いない。