うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 抱擁、あるいはライスに塩を

抱擁、あるいはライスには塩を

抱擁、あるいはライスには塩を

大正、昭和、平成を駆け抜けたひとつの家族の歴史。
親子愛、夫婦愛、兄弟愛、家族愛にはいろいろあるけれど、
一歩ひいた作者の目線は、いっそ冷たいくら潔い。
途中、人物名を忘れたりして家系図が欲しくなる。
苦労して読んだ甲斐のある物語だった。
「でもね、歴史は過去ではないのよ。今も私たちは歴史のただなかにいるの」
「物語そのものは、私のなかにはるか昔から埋められていた気がする<中略>物は変らないのだ。私はそれをただ注意深く掘り起こしてつなげればいいのだ」
・・・本文より抜粋