うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 カーネーション

ひさびさに、ハマっている。
NHK朝のドラマ「カーネーション」。
主人公が60歳になり、 娘たちもそれぞれ独立、成功し、 めでたし、めでたし。
このあとみんな、幸せに暮らしましたとさ。
・・・で終わりのはずだった。従来の朝ドラなら。
でも、今回は違う。

出演者もスタジオも、時代背景も、 そっくり潔く総入れ替えしたあげく、
新しいドラマを始めてしまった。視聴者におかまいなく。

そして、気づかされる。

これは、ひとりの女性の成功話なんかじゃなかった。
先の五か月は、その伏線に過ぎなかった。

本当のテーマは、最後の一か月に集約されるのだ。

老いと向かい合いながら、今まで歩んできた人生を、主人公がどう締めくくるのか。

「老いるということは、当たり前にできていることが、できなくなること。その情けなさに耐えること」
「今できていることも、これからはできなくなってしまうこと。その怖さに耐えること」

テレビの前にいる私たちに、見届けてください、と 直球で投げかけてくる。
すごい仕掛けだ。